よるのしじま

ニートの季節

待ち遠しい


眠っている時間が減った。

おそらくは抗うつ剤を増やされてから。一日15時間ほど眠っていたところが8時間くらいまで縮んだ。

 

 

少し前まで起きている時間はとても苦痛だった。(今も好きではないけれど)

せっかく時間がたっぷりあるのに……やりたい事も思い浮かばず、やるべき事への気力も沸かず、黙っていれば不安と希死念慮が交互に訪れる。

人の気配が感じられる昼間は特に苦しい。皆当たり前の様に所属する場所へと赴き、他者と関わり、社会の一員として務めを果たしているんだろう。

僕はいつから「当たり前」も出来なくなった…?

罪悪感や劣等感までのし掛かって来る。

だからやっぱり深夜は過ごしやすい。

 

深夜アニメでも垂れ流して意識を逸らすけれど、数話観た程度じゃ一日は終わってくれない。そう何十話も一気見できるほどの、気力も集中力も無い。

そうして打つ手が無くなる。良くないループに陥っているのは分かる。

つまらないことでもいい、なにか仕事でもこなせれば…。たったの数歩でもいい、外に出て眩い日光でも浴びてみれば…。

そんな些細な事で、気分はガラリと変わるかも知れない。

わかっているけど、その一歩が踏み出せない。

 

だから、起きているだけで苦痛なこの世界から逃げるように眠ってばかりいた。

 

 

つまり睡眠時間が激減したのは、起きている間の苦痛が和らぎ始めたから。

おそらく増えた薬のせいだろうけど、死にたくなる頻度が減った。生きることがさも当然の様に感じられてしまう事が増えた。

 

暗くて冷たくて息苦しい水の底から、光射し込む水面下まで急浮上させられる様で、その度に戸惑う。

今までの思考は、希死念慮は、嘘だったのか…?

…あれは紛れも無く自分の意志だったはず。じゃあ今のこの気分は何なんだ?もうわけがわからない。自分が二人いるようで気持ちが悪い。どっちの自分を信じて行けば良いのか。二人のめざす場所は対極にある。生きるか死ぬか。僕は一人だ。動き出そうにも動けない。

とか言ったけれど、今の今まで死ぬ踏ん切りもつけられなかった臆病者だ。この思考全部、変化を怖がるゴミクズの、動き出さないための言い訳かも知れない。

 

とにかく薬を欠かさず飲んで様子を見守る。いつまた沈みだすかわからない。

次の診察日が待ち遠しい。

 

 

…それにしても暑い。ここ数日で急に気温が上がった。

完全に夏だ。

窓辺で見上げる真っ青な空と立体感のある白い雲に胸がざわつく。

外に出ろよと急かされているようで憎たらしい。

安息の地である夜のしじまも影響を受けている。

深夜に吹き込む風は涼しいけれど、日中にこもった熱がなかなか冷めてくれない。

梅雨が待ち遠しい。

 

 



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